ALSの在宅介護の記録  2021年


 2020年秋 ALS発症
 2021年7月 ALSと診断 
 2022年7月 車椅子利用
 2023年10月 気管切開 胃瘻造設

 夫のALSの記録を時系列に
 書いていきます

 ⚪︎ ALSの進行状況と医療的視点
 ⚪︎ 便利だったアイテム
 ⚪︎ お役立ちメモ
 ⚪︎ 我が家の在宅介護の工夫

 など
 誰かの参考になれば幸いです

2020年秋 発症


 夫から左手の小指が痺れるとの訴え

 初めは気にならない程度でしたが
 慢性的 継続的に痺れるため
 夫本人がALSを疑いました

 夫の父がALSで亡くなっていたので
 夫には予備知識があったので

 初めから「ALSかも」という視点が
 ありました

2021年4月 整形外科受診


 左手小指の痺れはだんだんと肩の方まで
 広がり
 関節の動かし方によっては激痛が走るため
 受診を決意


 ALSの診断は脳神経内科であったけど
 紹介状が必要なため

 そうでない可能性も考えて
 総合病院の整形外科を受診しました


2021年5月 脳神経外科へ


 ALSの可能性を危惧していると
 伝えたところ
 整形外科の医師は
 「ALSは専門外だからわからない」
 と言いつつ

 しばらく通院して様子を見るという
 判断であったが

 ALSは進行性の病気で
 痺れが広がりつつある夫は

 調剤薬局の薬剤師さんに相談したところ

 神経からくる痺れのようだから
 すぐに脳神経外科に行き
 原因が特定出来ないなら
 脳神経内科へ紹介状を書いてもらうと良い

 と助言され
 翌日に脳神経外科の予約を取りました


 ⸻

 予備知識がないと
 始めは整形外科を選びがちですが

 ここで色々な検査や薬を試している
 あいだに進行してしまうパターンが
 多いので

 かなりショートカット出来た夫は
 ラッキーでした

 あの日の薬剤師さんには
 今も感謝しています


 ⸻

 慢性的かつ継続する痺れは
 脳神経外科がよいです

お役立ちアイテム


 この頃には
 左手の筋力を失いつつあった夫は
 左腕が重だるいと言うので

 骨折等の時に使う
 アームホルダーをAmazonで購入し
 使っていました

 肩の負担が軽減したようです

Amazon等で購入出来ます

2021年5月 脳神経外科受診


 脳神経外科のクリニックでは

 ⚪︎ 夫の父がALSで亡くなっていること
 ⚪︎ 本人もALSを疑っていることを

 初診の段階で伝え
 必要であれば 脳神経内科へ
 紹介状を書いて欲しい旨を伝えました


 痛みを訴えていた肩と
 頭部のMRIを2回に分けて撮り
 原因が特定出来なかったため

 ALSの検査機材がある脳神経内科へ
 紹介状を書いて頂きました

 ALSでは
 現状これが最短コースになると
 思います

お役立ちメモ


 ALSは筋肉がだんだんと動かなくなる
 進行性の病なので

 障害者年金を受給することが出来ます

 その時に
 1年6ヶ月以上経過していることを
 確認するため
 初診病院の「初診証明書」が
 必要になります(有料)


 うちはALSの可能性ありきで
 1番始めに受診した脳神経外科に
 初診証明を書いて頂きました

 どこを初診とするかは
 こちらの判断になりますが

 期間が1年6ヶ月に満たないと
 やり直しになるので要注意です


2021年6月 脳神経内科受診


 脳神経内科では
 ALSかそうでないかに焦点を絞り

 一般的な検査に加えて
 筋電図検査などをしましたが
 確定出来る数値が出なかったため

 詳しい検査をするために
 二週間の検査入院をすることに
 なりました

 筋電図検査では
 左手腕の他、まだ自覚症状のない
 右手と左足にも進行が見られたそうです


お役立ちメモ


 入院等で医療費がかかる場合は
 「高額医療費 限度額認定証」の
 手続きをすると

 支払い時に
 一時立て替えをすることなく
 自己負担額だけで済みます

 加入している保険組合に申請し
 支払い時に提示するだけでOK

  会社顧問の社労士さんに依頼できます
 事務員さんに確認して下さい


2021年7月 検査入院


 入院時はコロナ禍で
 基本的に面会は禁止

 入院ベッドの確保と検査スケジュールの
 調整で 7月の入院になりました

 大きな総合病院では
 入院前のカンファレンスがあり
 パジャマや日用品の
 リースを利用するかの確認と
 持参するものの説明があります

 検査を色々するので
 着脱しやすいパジャマは
 リースしました

 入院当日
 面会が出来ないため
 夫には双極性障害の持病があることを
 看護師長に伝え

 対話や対応で
 気をつけて欲しいことも
 ノートに書いて渡したため

 看護師さんからは
 確認したいことがあれば
 電話をくださったので
 入院中 夫は双極性障害の症状を
 出さずに済みました

お役立ちメモ


 入院は基本的には相部屋なんですが
 (部屋代は自己負担)

 こちらから希望すると個室に出来ます
 1日あたりの使用料金は
 部屋のグレードにより料金は変わります


 治療の都合や
 病院事情で個室利用になる場合は
 部屋代はかかりません

 この時 夫は
 相部屋を希望していましたが
 病院事情で個室になったため
 退院時の支払いに
 個室料は加算されませんでした

 ※ ※ ※ ※ ※ ※

 個室を希望する場合は
 フライング注意⚠️ です(`・ω・´)b

2021年7月 プロバブルALS


 検査入院では
 骨髄液検査の他リハビリ等もして
 夫は比較的のんびり過ごしていましたが

 その裏で夫の検査チームでは
 毎日のように会議討論をしてくれていた
 ようでした

 そして一週間すぎた頃

 夫婦でカンファレンスに呼ばれ
 診断されたのが

 プロバブルALS

 20%から80%の確率でALSであろう
 と言うことでした


 ほぼALSだとは思うが
 症状が初期すぎたため 
 可能性の範疇という見解になり
 「プロバブル」を付けざるを得なかった
 そうです


 今後の治療は
 ① ALSの遅延効果が期待される薬の投入
   ② リハビリによる関節可動域の維持
   ③ 定期的な進行状況のチェックとその対応
 が主軸になり

 新しい治療法があれば
 随時追加していく感じになりました


 当時 ラジカットの治験を
 某大学病院がやっていて
 そちらも進められたため

 夫は参加を表明

 退院時に紹介状を書いてもらって
 すぐ大学病院に予約を取りました

ALSと診断された日に病院の窓から見た
環水平アーク

2021年8月 在宅介護スタート


 退院時に
 ⚪︎ リハビリ病院への紹介状 
 ⚪︎ 大学病院への紹介状
 ⚪︎ 指定難病の診断書
 ⚪︎ 障害者手帳申請用の診断書
 用意してもらい

 退院した足で
 市役所に行き
 必要書類を発行してもらってから
 障害者手帳の申請をして


   「特定医療費受給者証」の申請に
 担当地区の保健所に行きました

 その後
 リハビリ病院と
 大学病院に予約の電話をして
 長い長い退院日が終わり

 在宅介護の日常生活が始まりました

お役立ちメモ


 特定医療費受給者証の申請には
 ALSの治療に関わる病院や
 薬局、訪問看護事務所の
 名前と住所も記載するので

 予めメモを持っていくと便利です

 証明写真を撮った時は
 余った分は残しておくと
 けっこう別の申請で使う機会があります

お役立ちメモ


 障害者手帳は1〜2ヶ月
 特定医療費受給者証は2ヶ月以上
 申請から発行までにかかるので

 届くまで医療機関の支払いは
 立て替えになります

 領収書を保存して
 発行後に手続きすると
 精算してもらえるので
 領収書はなくさずに保管して下さいね

2021年8月 治験参加希望


 大学病院へ治験参加の説明を聞きに
 行きました

 治験薬はすでに第三相に入っているので
 安全性は高いこと

 途中で辞めたくなったらリタイアが
 出来ること

 治験参加中はその他の治療に関わる
 医療費は製薬会社の負担になること

 治験薬は本物と擬似薬があり
 どちらのグループになるかは
 医師にも通達されないこと

 「交通費」と言う名目で
 寸志が支給されること

 を説明され

 ⚪︎ 治験薬の説明
 ⚪︎ 参加前の検査
 ⚪︎ 参加中の流れ

 を説明されました

 夫の参加の意思が変わらなかったため
 次回から
 参加前の検査に入ります

2021年8月 リハビリ病院スタート


 週に一度通うリハビリ病院へも
 行きました

 初回は形式的な内科検診をして
 「リハビリの必要あり」という
 診断書をいただいて
 リハビリ科へ行きます

 担当してくれる作業療法士の先生と
 面談をして
 現状を把握してもらい
 次回から作業療法室でのリハビリに
 なります

 今まだ動く部位の可能な限りの
 機能維持と
 動きにくくなってきた部位の可動域の
 確保が目的です

 ALSからすると
 イタチごっこのようですが
 関節の可動域があるかないかは
 着替えやちょっとした日常的動作など
 には大きく影響するので
 実はものすごく重要です

 寝たきりになるまで
 週一のリハビリ通院は続きました

2021年9月 ALSの進行


 週に一度リハビリ病院へ通院
 しながら
 月に一度 主治医の定期検診
 月に2回 大学病院で
 治験前の検査に通いました

 リハビリ病院や
 主治医の病院は車で20分程度なので
 身体が動く間は車で通院しましたが

 大学病院は倍以上かかるので
 9月からは最寄駅まで車で行き
 大学病院までは電車を利用しました


 血液検査 心電図検査 肺活量など
 検査をクリアして
 10月から治験薬を投薬することに
 なりましたが

 9月の終わり
 乗りたい電車がホームに入ってきたため
 走ろうとしたら
 夫が
 「足がもつれて動かない」
 と言って 電車は見送り

 左足にもALSの影響が表面化したことを
 夫は実感したようでした


 まだ 歩くことは可能ですが
 歩けなくなる日が
 確実にくることを実感しました

長時間歩いても 
腕に負担が少ないタイプの杖を
Amazonで購入しました

2021年10月 障害者手帳が届く


 身体障害者手帳が届きました

 県によって違いがあるようですが

 愛知県は県内の医療機関利用における
 保険適用内の
 全て自己負担0になります

 この時点で
 ALSの治療や夫の今後の医療費は
 ほぼ心配する必要は
 なくなりました

 歯科医や皮膚科など
 ALSに関係がない治療や通院にも
 適用されるので

 在宅介護における心配が
 一つなくなりました

お役立ちメモ


 障害者手帳は
 まず先に「交付決定書」が
 届きます

 その通知書と
 本人確認ができるもの
 証明写真を持って

 市役所の障害福祉課に
 受け取りに行きます

 手帳が直接送られてくるわけでは
 ないので
 市役所から封書が届いたら
 必ず確認です(・∀・)b

2021年10月 介護保険の利用


 障害者手帳の受け取りに行ったついでに
 市の車椅子をレンタルするには
 どうすればいいか聞いたところ

 車椅子のレンタルは
 高齢福祉課の方が優先になるそうで

 ALSは介護保険の特定疾病に該当し
 夫は年齢的に第2号被保険者になるため

 高齢福祉課で介護保険の申請手続きを
 する方が便利だと言われ

 高齢福祉課に行って
 手続きを行いました

 夫はこの時点では
 要支援だったので
 地域包括支援センターに行き
 ケアマネさんを依頼

 現状 生活支援は必要ないが
 進行性の病気なので
 何かあった時に相談できる機関が欲しい

 ということで

 訪問看護事業所と
 福祉道具事業所に繋いでもらい

 訪看さんは月に2回の訪問と
 ヒアリングからスタートしてもらいました


 ALS患者の現場をよく知っているので
 身体の変化に合わせた相談が出来て
 ありがたかったです

2021年11月 特定医療費受給者証取得


 保健所から
 特定医療費受給者証が届きました


 薄紫色のペラペラの紙が
 特定医療費受給者証

 黄色の冊子が
 利用記録になります


 特定医療費受給者証の利用には
 自己負担額の上限がありますが
 それは障害者手帳の方で
 賄えるので
 実質医療費はかからなくなります
 (医療機関が請求する先が違う)

 医療機関にかかる場合は
 必ず
 ⚪︎ 特定医療費受給者証
 ⚪︎ 障害者受給者証
 を忘れずに持って行きます


 更新は1年おき
 6月〜8月が更新期間になります

2021年11月 夫のメンタルの変化


 治験薬の投薬が始まり
 週に一度のリハビリ
 月に2回の訪看さんとの対話
 以外は

 仕事もして
 いつも通りの生活をしていましたが

 左腕はほぼ動かせなくなり

 今まで当たり前に出来ていたことが
 出来なくなってきたことを
 自覚していた夫は
 不安を抱えながらも
 なるべく家族に迷惑をかけまいと
 必死でした

 そのため
 ALSになってからは落ち着いていた
 双極性障害の方が再発し

 情緒が不安定になってきました

 私に当たり散らすことは
 しょっちゅうで
 子供たちにも不本意な態度を取るため

 最期まで在宅介護をしようと思ったら
 ちょっとここが
 最初の壁になるな と思いました

2021年12月 最初の壁を越える


 12月のある日
 夫の体調も気分も安定していた日

 私は夫に聞きました

 「最期まで在宅介護をしたかったけど
  あなたがもし
  家族といるのが辛いなら
  ALSも引き受けてくれる施設を探す

  だから本音を教えて欲しい

  あなたは家族といたいのか
  いたくないのかどっち❓」

 夫は
 「いたいけど・・・」
 と言うので

 「『けど』はいらないでしょ
  いたいなら 
  最期まで一緒に過ごそうよ
 私は初めからそのつもりだよ

 もう十分家族のために頑張ってきたでしょ
 遠慮なく今度は甘えてよ

 私や子供たちに恩返しさせてよ」


 と 言うと
 「オレはお前たちに迷惑を
 かけたくないんや」

 と言うので

 「もし 私がALSだったら
 あなたは私を迷惑だからと
 放りだすの❓
 しないよね

 私の世話をしながら 
 どうすれば
 仕事と家事も出来るか 考えるよね

 あなたはそう言う人だよね

 私も同じなんだけど

 なんでそれを信頼してくれないの❓」


 と言ったら
 夫は涙を流して黙ってしまいました


 話はそこで終了したのだけど
 その日の夜

 夫がお風呂に入る時に
 「一緒に入って手伝おうか❓」

 と聞くと
 夫はちょっと考えてから
 「お願いしようかな」と言いました


 左手が使えないので
 頭が上手く洗えない
 右の脇側が洗えないのが
 ストレスだったようで

 何度もゴシゴシしてあげると
 「気持ちいいな〜✨✨」と
 喜んでいました


 片手で不自由なことは
 手伝うからちゃんと教えてよ
 言われないと
 分からないから

 夫はこの日から
 よく笑うようになり
 ALSの在宅介護は
 この日から始まった気がします

福祉道具事業所さんで
介護用のお風呂椅子を買いました
保険適用だったので3割負担で
購入出来ました

お役立ちメモ


 介護保険では
 リース出来る介護道具と
 購入費が安くなる介護道具があります

 消耗品や衛生用品は購入のみで
 負担額は物によって違います

 購入助成金の1年の限度額は
 決まっていて
 残高を翌年に繰り越すことはできないので

 高額商品を購入する場合は
 業者さんに相談してからが
 良いです


 あと
 業者さん
 当たりハズレがあるので
 この辺りの相談はケアマネさんにd( ̄  ̄)

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